大人のアトピー性皮膚炎

大人のアトピー性皮膚炎とは

im_illust001成人にみられるアトピー性皮膚炎は、小児期から持続される場合や、一旦ほとんど治癒した後、成人して再発する場合など様々な経過があります。診断には、詳細は皮膚症状の診察が重視され、特徴的な分布と今までの病歴から総合的に行い単に血液検査やアレルギーの合併から判断することはしません。
成人の方のアトピー性皮膚炎の特徴として、経過が長い例が多いことや、社会生活が多忙で症状のコントロールが不十分で過ごされてきた方が多くいることです。

治療の目標としては(もちろん治癒を目指すのですが)、完治は困難でも仕事や家庭生活にできるだけ影響がでないような状態で過ごせることを目指していきます。

大人のアトピー性皮膚炎と検査

● TARC
アトピー性皮膚炎の程度(病勢)を反映する血液マーカーとして治療の前後に測定します。

● 総IgE値
アトピー素因(体質)を反映し、高値な場合、家族歴、他のアレルギー性疾患を合併している方が多いです。

● 特異的IgE抗体
ヒョウヒダニ、ハウスダストへのアレルギー状態を6段階で評価します。
その他、花粉症やカビ、食物など意外なアレルギー状態の有る無しが検討できます。

● 血清LDH、白血球中の好酸球の数
皮膚炎やアレルギーの場合、昔から行われている血液検査項目です。

● パッチテスト
アトピー性皮膚炎の場合、スキンケア用の製品や仕事で使用する物品に接触アレルギーを合併していることがあり、実物のパッチテストにより自分に合っていないものなのかどうか検討できます。

● 金属パッチテスト
アトピー性皮膚炎のような皮膚症状、金属アレルギーが原因で起こることがあるため、代表的な身の回りの金属を一度に19項目検討できます。

大人のアトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎治療の基本ステップ

● 第1段階
皮膚炎の鎮静化 症状に応じたステロイド剤やタクロリムス軟膏を適切に用い、炎症を改善していきます。特殊な治療として、ナローバンドUVBという紫外線療法を併用することがあります。

● 第2段階
よい状態の維持、維持のためには、外用剤の使用間隔を指示通り伸ばしていっていただき、最低限の薬剤使用量で、良好な状態を維持できるように指導します(最近、プロアクティブ療法といい注目されています)。スキンケアも適切に持続します。

● 第3段階
第2段階をキープすることで治癒(臨床的に、薬剤を使用しなくてもよい状態を保てる状態)をめざします。あるいは日常生活に影響が最低限となるようなセルフコントロールができる状態です。

上記と並行して、日々起こりうる悪化因子に対処し、増悪させないことも大事です。悪化因子は患者さんそれぞれにより異なるため、ダニアレルギー、仕事や人間関係のストレス、疲労、月経、スキンケア用品や仕事で使用する物への接触アレルギー、紫外線、乾燥した気候、汗、花粉症や季節性アレルギーなどを個別に検討し、できるだけ発見して対策をとっていきます。

アフターケアの注意点

社会人は日常生活が多忙なため、中々定期的な受診ができず、薬がなくなって、症状が悪化してから受診しがちです。できるだけ適切に薬物療法を維持していただき、アトピー性皮膚炎によって生活に支障がでないように、ひいては次第に薬物使用量を減らしていけるよう根気よく治療していきましょう。

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